非対立的共存感覚

デザインされた室内をさらに被覆する所作はある意味で非対立的であり、そもそもの内装部位が新規と仕方なく併存する材料に成り下がるわけでもない。 既製家具選定、造作家具の仕様において、CMYKの解像度と適正レイアウトによりもたらされる一室空間の階調を…

軒下の翳り。 日本的空気。

万葉亭

堀口捨己作。 雨が降った次の日。 しっとりとした空気を纏ってぼくを迎え入れてくれた。

仕事

どこに軸を生むか、現場か、施工か、施主か。 会社に入ってくる仕事、で施主と相性が合わないと感じ始めると、現場を軸にすればよい。 ただ、あと何年気持がもつか。 たぶん独立するか何か、今の会社を出るのはそのタイミングだろうな。 とりたい仕事だけや…

既存との向き合い方

内装改修工事は既存状態との並び、交わりが必然となる。 今回は既存が改修直後の内装改修。賃貸はエリアと間取りが借りる主な理由になるため、内装に関しては二の次、少し手を入れれば思い通りになる。広さにもよるが恐らく300万前後の感覚で雰囲気を一変で…

厳密さ

職人の技術の精度に頼ることなく、厳密に素材に寸法を与えていくこと、工事別で其々の職人がネガティブな構えにならないような寸法体系を作ること。作り切れずとも、現場が同じ方向を向いてくれるような気持ちになる図面と伝え方で望むこと。 相性を見極め的…

発注者能力

自分ではできないこと、を他人に頼むこと。その実施に伴う対価を支払うこと。仕事について。 自分でできるけど、他人にお願いしたいこと。同上。 お願いしたり、頼み事をするのであれば、その他人を選ぶのも自分の責任。 仕事が始まった以上、当事者のみでや…

喫茶竹の熊

下川徹氏による自然と対峙した建築。 開店前に拝見し、意図を読み取った。 まさに発表の文章は予想通りで嬉しい。 分かるけどできない。 心の清浄さについて。

ベルテ西参道

田邊博司の集合住宅。 反転曲線の輻輳による質量感のコントロール。 3次元の立体造形から、建築部位の面の中で行われる割り付け、銘板まで。 空間に貢献する線を適切に与えること。設計者の責任について。

目指すところ

自分の理想や超えたい壁を登るための手立てを模索している。 師匠がいればそれも苦労しないかもしれない。 いや苦労してどんな施工者と対峙しても設計者として生きていきたい。 ところが図面を書けない施工者ほど怖いものはない。図面を描くという、能動的な…

経験

上下関係はあってないほうがいい 尊厳が保たれればそれで良い 経営者としての側面を持った上の立場としても同じだと思う 大局を見て駒を動かす感覚で仕事をしているようでいい組織になるだろうか 人間は駒ではない 水の流れを決め、レールを敷く その意味や…

自分の評価は誰がする

自分のことは自分が誰よりも知っている。わけではない。 自分のことは他人が1番知っている。わけではない。 会社が給料で評価している。わけでもない。 会社を作っている人が情で評価している。わけでもない。 ぼくはぼくを自分で評価するために、その評価軸…

常に空間の質を言い表す文字、言葉を探している。 職人との意思の共有は図面という技術だけではない。 対話、という形で伝達行為がとれるのであれば、言葉を必要とする。 部材の仕上げ具合のことを、その大工さんは「味」として理解してくれた。 伝わった、…

いよいよ

検討でめちゃ書いた汚いパースを少しだけ清書。午前中で終わるくらい。 図面に力入れるとパース作ってる時間ないし、お客さん承認より施工に伝えることのほうが大切。パースで、指示するのはデザイナー。パースは施工に対して伝わる技術ではないと思うから。…

名人は人を謗らず

2023年、大人になりたい 精神的に 他人と自己を比較し、自分の行動を正当化するために、他人の行動を間違っている、不足している、劣っている、などの見方を知らず知らずのうちに行ってしまう。 そしてそれが言葉に出てしまう。 聞いた側の気持ちは、良いも…

いつからだろう。母親とまともに会話できるようになったのは。生活のこと、職業のこと、恋愛のこと。僕が大人になるたびに、深く広く聴き入れ、諭してくれる。 母親は血縁がある。 そのためかわからないけど、潜在的に物事への視座も近い部分があるかもしれ…

光を聴く

形を捉えるか(構造)、光を捉えるか(環境)、またそれらの乗算によって得られた空間を捉えるか(意匠)。他にも要素、エレメントとなることは多くあるが、最近は光を意識的に捉えている。設計している時も、陰を描くようになった。

凸目地

内井昭蔵が好んで用いた目地。 目地は部材同士の間、継ぎ目になる部分をさすが、凸目地は凹目地より一手間かかる。 木であれば目透かしの上に部材を取り付ける手間が、RCであれば型枠大工の手間が増える。 ただこの凸目地が生み出す規律と陰影は建物の美観に…

大切なこと

お花をいただいたり、お渡ししたり。 小さなお花が持つ大きな力。 幸せ。 ひとを想う大切な気持ち。 頭でっかちなぼくだけど、ぼくだからできることもある。 大切なことを言葉で伝えられる、そんな大人になりたい。言葉で伝えられないときは、また違う方法を…

不安定

個人でも仕事をいただいている。 自らの精神衛生状態のコントロールがなかなか難しい。 心が重くなる。 気が重くなる。 元気つけてくれるものはなんだろうか。 建築だろうか インテリアだろうか 家具だろうか 知人だろうか これを内発的に行えるようにできな…

基準

空間に身を置いたとき、見えない線を見つけることが最近の楽しみである。 対称性であったり、連続性であったり、無意識の内に目に見える心地よさだけを味わいがちだが、その心地よさを生み出す本当の核にあるもの、それが基準線であるからだ。 その基準線は…

ある図書館

湯河原で消防署へ出張。 担当物件の飲食店として消防法上、3号ロ、複合用途として16号イに該当する2階建て木造建築の事前相談をしに行った。 少し早めに到着して、建築を堪能。 道路から建物へアプローチする軸線に込めた想いを建築家から感じ取る。 矩形と…

東大

本郷で現場が進んでいる。実施図を工事前に全て上げ、割り付け材料の図も揃えたので、定例がとても速やかに終わる。 今日は建築に癒されようととりあえず東大に入った。 言語化には時間がかかりそう。 視点だけ残しておこう。

M邸

進来廉による邸宅。 インテリアスタイリストの竹内くんにお供して現ギャラリーとして引き継がれている空間を味わう。 RC壁式構造とし、構造体の「間」にサッシュを納める。木製雨戸の幅を壁面と合わせることでファサードの日本的な「間」プロポーションを実…

白と黒

壁を立てるだけ。 にしてはかなり力を注いでみた。 といっても時間はあまりかからなかった。 技術を持つことは精神と別の場所で自信になる。 自分の設計は芯が大切だ。 中身のある設計。 精神性がある設計。 墨出しの瞬間に職人に全てが伝わる。 今まで考え…

複雑さ単純さ

その場所にはそもそもこういう場所、建築、空間が必要であるという強固な意志、欲望が基準線を通り芯を導き、土地に根付く。 街区に平行な立面、角地を柔らげる立面に穿たれた2つの角の取れた陰り。 室内と室外の異なる要求に対し、増殖された基準線が作り出…

地縁

人それぞれ一定のコミュニティに属しているだろう。 家族の繋がりである血縁、住む拠点、帰る場所としての家が近いもの同士が繋がる地縁、好きな趣味や生活の態度などが似たもの同士が繋がるコミュニティ縁。 こと地縁に関して言えば、賃貸型住居に住む人間…

板橋のある窓

建物の立面に矩形が繰り返されるとコンポジションのセンスが問われる。対比的な形を用いると記号論へと展開する。 今日会ったのは前者だ。 内部喫茶体験において一人が空間に立ち向かうとき、ある行為を実施しない場合、その体験のほとんどが視線に重点を置…

定着度

器の世界では、所謂道具、というスケールにおいては、用途に適したカタチが人間の手に馴染むカタチでもあることが評価軸の一つにある。 手に取ったとき、見た目の素材や形から我々に訴えかけてくる重み、バランスなどがしっくりきた際に「手取りが良い」と表…

連舞

「人それぞれの幸不幸は、生得の心ばえや運命の如何で、誰もが抱えているものなのだ。それに惑う暇があったら、こうして踊っていればいい。」 本を読み、思考を真似び、建物を体感し、感覚を研ぐ。 何を迷う暇があろう、都内にいるなら全て見てから拠点を変…