その場所にはそもそもこういう場所、建築、空間が必要であるという強固な意志、欲望が基準線を通り芯を導き、土地に根付く。
街区に平行な立面、角地を柔らげる立面に穿たれた2つの角の取れた陰り。
室内と室外の異なる要求に対し、増殖された基準線が作り出す外部の空隙は自転車が置かれたり(通りに出ない点の評価)、照明器具が配されたり(夜間の明るさにおける街に対する態度の評価)となる。
慎重に選ばれた磁器質タイルの色は立体感を際立たせ、建物の魅力を上げている。
手数の少ない中で多様な空間を生み出したり、結果として口数が控えめであるところに好感をもった。
そんな建物であった。