既存との向き合い方

内装改修工事は既存状態との並び、交わりが必然となる。

 

今回は既存が改修直後の内装改修。賃貸はエリアと間取りが借りる主な理由になるため、内装に関しては二の次、少し手を入れれば思い通りになる。広さにもよるが恐らく300万前後の感覚で雰囲気を一変できる。

 

川辺直哉さんの事務所から独立された辻昌志さんの手がけた内装。鏡という名のステンレス鏡面板は角度を持って壁面に埋め込まれていた。鏡の法線が視線と一致しないので反射という特徴を持たない白壁に比べ空間と景色の広がりをもたらすが、概ね高評価となるわけではない鋭角な設計手法のように見える。

 

現に施主は鏡を不要とし、壁で埋めてしまう。

 

デザインされたキャンパスを完全に塗り潰す態度。既存を覆い隠すという設計が求められた。

 

壁の下地が455ピッチで気持ちよく並べられた。イケイケのデザイナーたちがこの連続性や構造体をデザインと捉える気持ちもわからなくない。

 

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