石積みへの興味
こんにちは。今回は「石積み」の学校に参加してきたのでそのことについて記事にしてみます。なぜこの学校に参加することに至ったかの経緯について少し説明しておきます。
僕は普段、大学院生として授業を受けている未だ学生の身分なのですが、その授業の一つに農村計画の授業があるんです。(建築学系に属していながら、都市や農村など広い範囲を扱う授業を聴講できる環境にいけて本当に良かったなと思っている笑)
普段は法律のことや農村の現状などの問題、まだまだ解決されていないことについて先生は話されているのですが、5月2日のGW半ばの授業でやっぱりこっち話すねと一言。えっという感じで始まった授業だったのですが、そこで「石積み」について知ったのです。そして話を聞いているとどんどん引き込まれてしまったわけです笑
僕の好きな建築家の一人にフランクロイドライトという近代建築家がいるのですが、彼のよく使用する材料として大谷石という栃木県で採掘される石があるんです。
それがきっかけとなり建築資材としての石にはもともと興味があったわけです。独立する前にでもイタリアやイギリスで勉強する予定だったのですが、まさか日本でもそれが勉強できるとは、全く思ってもいなかった好機でした!!
2日の授業で「5.6日に1泊2日で学校を開くから興味あれば声かけてください。」
と先生が言う前にFacebookをみて学校の存在を知っていた僕は言われなくても先生に聞いていたでしょう。笑 そのくらい僕にとってinterestingなことだったんです!
学校のホームページ貼っておきます。
この記事を読んで少しでも興味持った方は覗いてみてください。
もちろんこの記事はスキップしても構いません笑
石積みの詳しい歴史や技術に関してはぜひHPをチェックしてください。
たった一回だけ参加した僕なんかには語れない代物ですので!
(僕もホームページ見て勉強しないとですね笑)
それでは1泊2日の作業の様子をご覧ください!
1日目
石を崩す作業
まずは修復を行う明石さんの畑の石積みを一度解体します。
簡単なようでなかなか力のいる仕事です。
道具の使い方をしっかり理解していれば効率も良くなるんでしょうね、、僕は教わりながら「おーーできた!」みたいな感じでした笑
少しづつ崩れてきました!
写真を見ていただければわかるように、てこの原理を利用しています。日本人は力がない分、頭脳を使って道具を開発してきたんです。というのはイタリアでの石積みの話を先生に聞いてはっとしました。イタリア人は服も適当だし手でどんどんやってしまうらしい。。笑
ここも明石さん任せ笑
玄翁の角を石にぶつけ砕いていきます。火花が飛ぶこともよくありました!
解体するときの注意点はというと。。。
そう、次に並べる作業のために意匠的に大事になってくる積み石とぐり石と呼ばれる小さな石、それから土を分けることが大事なんです!この写真をみて貰えばわかると思いますが、それぞれの山を作って分けます。しかし今回もどれもmixされてしまい、土の中から積み石が出てくるなんてこともありました!笑
それでは実際に積んでいく作業に移りましょう!
根石を置く作業
はじめに大きな石を土台の役割として置いていきます。「根石」と呼ぶそうです。
写真でつなぎ姿で座っている方が大学の先生、真田先生です。服装はこれを参考にしていただけると!ちなみに石積み学校を考えた方もこの先生です!色々なところで先生です!
神山にお住いの伊藤さん。初めましてでしたが、年齢が近いこともあり、色々親身に教えてくださいました。2段目に入ってますね!
おっと。大事なことを言い忘れていました。
伊藤さんの右にある木の棒。これがないと壁は綺麗に仕上がりません!
今回は直線だったので、3箇所に設置しました。
とても重要なガイドラインです!!
2段目以降を上に積み重ねる
ぐり石を奥に詰めながら2段目以降も積んでいきます。黄色い糸が見えますでしょうか。先ほどのガイドラインです。
お昼休憩
大きな軒の下でお昼休憩。暖かいお汁とお茶と、美味しいお弁当をいただきました。
ありがとうございました。右の写真で伝わるでしょうか。緑に囲まれるとはこのことですね笑 新鮮な空気を感じながらの食事。最高です。
17時まで頑張りました!
1日目は積む作業自体はこのくらいで終了!
崩す作業で結構時間を使いました。でも急いだらいいものが出来上がらないので慎重に頭を使いながら積み重ねて行くことが大事ですね!
何事も時間をかけた分だけ、見返りがかえってきますからね。
(人間にはあまり時間をかけても意味ない場合がありますが笑)
ジーパンの本来の使い方をしていることがとても嬉しかった。笑
労働者の服装、嫌いじゃないですね笑
高開さんのお宅で晩御飯
夜は高開さんのお宅で美味しいご飯をいただきました〜。
酢飯に、キュウリの漬物、徳島郷土料理のそば米汁!めっちゃ美味しかったです。
印象深いのは大根おろし。揚げ物にしっくりきすぎて、辛さも程よく、お腹も心も大満足です。
何より2間四方の空間に6人が程よい社会距離を保って、話しながら食事をするというあの時間体験は忘れられないものになりました。
高開さんのお話しもじっくり聞けてよかったです。
ふと建築の視点から今の自分を客観視できる心の余裕があってよかったなぁ。
そういう空間を作っていきたいと思い、寝床に入りました。
それでは2日目元気よくいきましょう!
2日目
8時半から作業開始!
休校している駐車場に車を止めて現場に向かいます。
できるだけ早く終わらせるため、後になって焦らないために作業は早く始めるんだという高開さんの指示で予定よりも早く作業開始!!
積み方のコツや、道具の使い方を教えてくれるだけではなく、いいものを作る際の高開さんの哲学さえも伝授してくれます。どれもためになるものですが、やはり常に創造性を持って行動しているのことを感じました。みんな高開さんが話始めると自然と体を向けて話を聞くんです。まさに理想の人間像です本当。
ただ技術を伝えるには技術だけ持っていればいいというわけではないんです。
人徳がどれだけ大事か。こんな人間になりたい!!と思うわけです。笑
頑張るぞー。
間違った積み方
これは僕が積んだところの一部です。
「四つ巻き」という禁忌事項です。真ん中の石が抜けやすくなってしまうため構造的によろしくないのです!!何やっているんだ、僕は。
というわけで。。
このように改善しましたよ!ちゃんと5つの石に触れているのがわかりますでしょうか。
出来上がりが近づく
段々と出来上がってきたー!
出来上がってきたら、いらない土と石を回収することも同時進行で行います。
並んでいる袋に入れていきます。これがまた重労働でなかなか体力使います笑
体力使う作業なので休憩は結構こまめに取ります。
それも個人的にではなく、みんなで一緒にというのがポイント。そこで話して作業中のコミュニケーションを円滑に進めるということができるからです。
初めて会う人と共同作業するには欠かせないですよね。勉強になります。
お茶やお菓子、クーラー、ポカリスエットなど、たくさんの準備が必要なのです。
今回準備してくださった方ありがとうございました。
おかげで作業も14時半に終わり、焦らず電車に乗れます笑
完成!
黒いジャケットを着ているのが石積み学校の金子さん。穏やかな人柄で、話しやすく素敵な方でした。急な申し込みで色々な質問メールに対応していただきありがとうございました!!
最後は畑を耕します。ここは機械。
石積みを眺める真田先生。つなぎ姿お似合いでした。
僕も次はブリティッシュアーミーのグリーンデニムのつなぎ買って参戦しようかな。バケットハットも買わねば笑
そんな僕はジーパンに白T。
半袖はやめたほうがいいかも〜笑
尖っている石もあるので注意が必要です。幸い怪我はしなかったですが。
まとめ
今回非常にいい体験をさせていただきました。
学生という身分を生かして、社会にどんどん近づいていきたいと思っている日々。
東工大に進んでよかったなと1年目突っ走っております笑
高開さんの家からの素敵な眺め!!
最後に。
このテキストには全てが詰まっています。
そのうち本が出る!?そうなので、自分の家を石積みにしたいとかきっかけはなんでもいいけど、日本の本物の伝統技術がしっかり未来に継承されればいいなと感じました。
以上!
ではまた。